NO団体名主な企画内容
36 大阪市立新北島中学校科学部(大阪府) 「都市部の自然環境について自分たちで観察、調査、分析、活動する!」
大和川の水質調査や、特定外来種のアルゼンチンアリのモニタリングや防除活動の3年目を実施。継続的に地元の自然環境を学び、問題点を意識して活動を行うことで、問題解決能力の向上に繋がることを目的とした活動。

速報レポート43 大阪市中学校生徒理科研究発表会

日時 9月17日(土)大阪市中学校生徒理科研究発表会準備 参加生徒12名(技術部員1名含む)指導者1名
日時 9月18日(日)大阪市中学校生徒理科研究発表会原稿作りと練習 参加生徒12名(技術部員1名含む) 指導者1名
日時 9月19日(月)大阪市中学校生徒理科研究発表会 参加生徒14名(技術部員1名含む)指導者1名
日時 9月26日(月)全校集会での賞状伝達 参加生徒14名(技術部員1名含む)指導者2名 全校生徒

 大阪市中学校生徒理科研究発表会の開催日が近づき、それまでも平日の放課後などを利用してデータ整理や分析を行ってきたが、最終のまとめを17日~18日にして19日の発表に臨む予定だった。しかし17日の朝にアルゼンチンアリに関するパソコンのデータが消えていることが判明した。学校のネットワークの中を探したが完全にフォルダーごと消されていた。おそらく間違えて消したと思われるので、急きょ紙で保管していてあったデータから作り直すことにした。部員達で手分けしてファイルの作成をやり直した。その結果17日(土)には消えたファイルを再度作成することができた。このファイル作成は1年生の部員が中心になって作ったのだが、嫌がりもせず頑張ってくれた。昨年まではこのような事態にならないようにバックアップを行っていたのだが、今回は行っていなかった。部員にはバックアップをとってなかったのがそもそもの問題だったことを告げて謝罪した。
 今回はプレゼンテーションによる発表が3作品、展示発表を5作品予定していたので、復旧で半日使ってしまったのは痛かったがどうしようもなかった。17日でプレゼンテーションが2作品完成したので、18日に練習することにした。残る1作品は18日に作成して19日の朝に練習することにした。
 18日はパソコン室のとなりにある固定プロジェクターがある教室を使い、プレゼンテーションの練習を行いながら、展示用の作品の印刷などを行った。また、展示用のアリの標本によるアリの分類表の最終仕上げを行った。
 19日は午前7時に集合して、最後に完成したプレゼンテーションの原稿の手直しや練習、ほかの作品の練習などを行ってから行く予定だった。パソコンは持参という指示だったので、昨年度より使っているタブレットパソコンに映像端子の変換器(会場はD-sub15ピンという古い形式の映像端子でないと映らないため)を使用するのだが、19日の朝に変換機が壊れるという再び緊急事態態が起こった。やむなくD-sub15のある古いノートパソコンを使うことにしたが、そのプレゼンテーションソフトのバージョンが古く動かないページがあったため、急きょ差し替えるということを行わなければならなく、部員や顧問は非常にバタバタすることになった。
 なんとか修正できたので忘れ物をないことを確認して学校を出発した。会場に開始30分前につき、展示物の貼り付けなどを部長に任せて、1番目の発表だったのでプレゼンテーションの準備に担当の先生のところにパソコンの接続について聞いたところ、会場にあるパソコンを使ってよいということだったので、念のために持ってきていたUSBメモリーでプレゼンテーションデータをパソコンに転送して、無事発表の準備が終了した。(古いノートパソコンは結局使用しなった。)部長も展示物を設置し終えたので、会場の席に着くように指示した。
 開会式は来賓のあいさつ、発表の方法や制限時間、準備の方法や質疑応答について説明があったのち、発表の開始になった。今回は8校14作品がプレゼンテーションの部で発表することになっていた。持ち時間は1作品5分で、3分で1度ベルが鳴り、5分で2度ベルがなるシステムになっていた。新北島中学校科学部は全員で発表する形態(学校によっては代表の生徒のみ発表することもある)をとっていたので、3作品を応募して全員がどれかで発表するようにしている。そのため出品作品が多いため迷惑をかけないように制限時間5分を厳守するように部員には言っておいた。(そのためにストップウォッチで時間を計りながら発表するようにしている。)
 発表会の1番目は新北島中の『ESD活動は得なのか?』という題で、ESD活動が研究活動と非常に役に立つ点を伝える発表を行った。ちなみにこの作品では賞はもらえない(科学的な発表ではないため)と生徒には事前に伝えておいた。この発表には昨年度の研究より河川財団研究成果発表会で優秀発表者賞をもらい、トム・ソーヤースクール企画コンテストで推奨モデル特別賞を受賞し、カップヌードル1年分をもらった(この時、他校の中学生からため息が漏れた)ことなどを伝えた。また、安藤スポーツ・食文化振興財団、河川財団、大和川河川事務所、近畿地方環境事務所、大阪府立大学などのいろいろな機関への謝辞を書いた。新北島中学校科学部が色々な機関やひとびとに活動を支えてもらっていることを明示した。また、近畿地方環境事務所が広報に使っている新北島中学校科学部の活動についてのプレゼン資料を許可の元に使用したりした。これらは、なかなか成果がわかりにくいESD活動を審査員や他校の生徒に『見える化』するために使用させてもらった。具体的な例(賞や賞品、関係機関の多さ、一般住民や国の機関から評価されている点)を示して、ESD活動を行う事で、多くの人から評価されることを示すことができた。
 2番目の発表は新北島中の『アルゼンチンアリの研究調査パート3』という題で、今度は純粋に科学的にアルゼンチンアリの調査によってわかったことを図にしたり、表にしたりして分析・考察を行った。
 3番目の発表は新北島中の『大和川の水質調査パート6』という題で、こちらは前回の発表の際に、別の顧問の先生から受けた指摘についていろいろ調査した結果を伝え、新しい発見があったことと自分たちの仮説に間違いがなかったことを科学的に証明した発表となった。
 3作品とも0~30秒以内の超過で発表することができた。2番目と3番目にはいろいろと質疑やアドバイスがあったが部員たちがしっかりと答えることができていた。
 発表が終わってあとは他の中学校の発表を聞くだけなのだが、新北島中学校科学部の生徒で質問をしたのは1人(その質問は相手の研究の大変さを引き出す良い質問だったので褒めておいたが)だけで、そういった科学的なことに疑問を持つことがあまりできなかったところは今後の課題と感じた。
 各校いろいろと工夫をされていた。特に動画を使用する学校も多かった。わたしはどちらかというとフィールドワークをしている発表に関心があるが、審査する人によって変わってくるので、いつも審査結果には興味津々(自分の学校の賞よりも、どういう基準で評価しているのかをつい考えてしまう。)である。
 全部の学校の発表が終わり、審査員が審議に入った。ここで毎年いつも予定時間を30分以上超過するが、どういう話し合いが行われているのか全くわからない。今回も予定時間を30分以上過ぎて審査員が戻ってきて発表となった。新北島中学校科学部の結果は、優秀賞に『大和川の水質調査パート6』優良賞に『アルゼンチンアリの研究調査パート3』が選ばれた。私の予想ではアルゼンチンアリの研究のほうが上だったのだが、審査員は逆だったようだった。あと優秀賞、優良賞、プレゼンテーション賞、努力賞にそれぞれ別の中学校が1作品ずつ選ばれていた。2作品で優秀賞と優良賞を受賞したのは新北島中学校だけだった。生徒たちはかなり喜んでいた。それだけでなく、文化部の大阪市での発表の場である大阪市立中学校総合文化祭に出場することが決まった。また、展示の部門では、『大和川の河口と源流での水質の比較』が優良賞を受賞し、さらに大阪府の学生科学賞に進む4作品のうちの1つに指名された。(この作品は大阪市立中学校総合文化祭にも展示される予定)
 今回は正直予想以上の賞を受賞した。これも部員達が頑張ったからだと思うので、部員達によく頑張ったなと伝えたが、自分たちですでに喜んでいた。集合写真では笑いがこぼれてしまっている。今回はいろいろハプニングがあったが、部員達がそれをフォローして頑張って良い結果を出せてよかったと顧問としては思った。また、これで3年生は引退になるので、今回の3年生はいろいろな部員がいたが頑張って続けてくれてよかったし、頑張った部員ほど得るものは大きかったと思う。全員が理系に進むわけではないが、いろいろなところで活躍してほしいと思った。また、1・2年生は、総合文化祭や大阪府学生科学賞に取り組まなければならないので、今後も頑張ってほしいと思った。
 9月26日に賞状伝達を校長先生にしてもらった。3年生最後なので3年生の部員で希望した生徒に全校生徒の前で賞状をわたしてもらった。
 今後もアルゼンチンアリのモニタリング調査や大和川の水質調査は引き続きおこなうが、3年生が引退し人数が10名を切るので、そういった調査の速報レポートで発表することはできなくなる。速報レポートは急になくなるが、調査は今後も続ける予定です。


前日に完成したアリを同定する時に活用する標本。見にくいがアリの名前の左側に実際のアリの標本が張り付けてある。大阪府立大学の上田先生に監修してもらった。

研究発表前に発表する生徒が並んで礼をするところ。挨拶もきちっとするようにしている。

研究についての質疑応答をしているところ。今回は部長にすべて任せた。


優秀賞の楯を受け取っているところ

3年生が引退するので、会場の大阪市立咲くやこの花中学校(中高一貫校)前での記念写真を撮っているところ。ポーズは科学部ではやっているお笑い芸能人のネタポーズ

9/26 科学部3年生が校長先生から表彰伝達されているところ。(優秀賞、優秀賞楯、優良賞2つの計4人)



速報レポート1 新入部員集め
速報レポート2 大和川の水質調査(体験入部)
速報レポート3 大和川の水質調査と清掃活動(新年度最初)
速報レポート4 大阪市立自然史博物館見学
速報レポート5 大和川の水質調査
速報レポート6 アルゼンチンアリの調査(平林地区)
速報レポート7 河川基金に採択される
速報レポート8 アルゼンチンアリの調査(新北島地区)
速報レポート9 プレゼンテーション道場(民間会社)
速報レポート10 校内アルゼンチンアリ調査
速報レポート11 大和川河口の水質調査
速報レポート12 大和川源流調査Ⅰ 初瀬川上流
速報レポート13 アリの同定作業
速報レポート14 降雨後の大和川河口の水質調査
速報レポート15 全校生徒にアルゼンチンアリの調査について説明
速報レポート16 アルゼンチンアリの調査(平林地区)
速報レポート17 アリの同定作業
速報レポート18 アリのモニタリング調査(新北島地区)と学校野菜園整備
速報レポート19 アリの同定と亀の水槽の掃除
速報レポート20 大和川源流調査(石川上流の滝畑)
速報レポート21 校内アリモニタリング調査と同定作業
速報レポート23 大学の先生が新北島中学校科学部に
速報レポート23 地域(住之江区)での発表活動
速報レポート24 学校野菜園の雑草抜きと平林地域のアリのモニタリング調査
速報レポート25 新北島地域のアリのモニタリング調査
速報レポート26 アリの同定作業
速報レポート27 雑草の堆肥化
速報レポート29 大和川河口の水質調査
速報レポート29 大和川河口近くの清掃と水質調査
速報レポート30 全校集会での説明と大阪府立大学生の研究の手伝い
速報レポート31 小学生への科学教室の実施
速報レポート32 東京大学での発表
速報レポート33 大和川河口の水質調査(朝昼夕)とアリの同定作業
速報レポート34 大和川河口にある堺市立三宝下水処理場を見学
速報レポート35 大和川の源流調査Ⅲ 千早川の水質調査
速報レポート36 アリのモニタリング(新北島地区)と同定作業
速報レポート37 アルゼンチンアリの巣の撃退と校内モニタリング
速報レポート38 大阪府立鳳高校との研究交流会と資料作り
速報レポート39 全校集会での賞状伝達と発表会に向けた資料作成
速報レポート40 アルゼンチンアリの調査(新北島地区・平林地区)と同定作業
速報レポート41 なにわの伝統野菜の栽培
速報レポート42 大阪府立大学生の調査の手伝い
速報レポート43 大阪市中学校生徒理科研究発表会
速報レポート44 体育大会でのクラブ紹介(ESD活動の宣伝)と河川基金だよりの掲載
速報レポート45 大阪府学生科学賞 優秀賞(大阪府教育委員会賞)受賞
速報レポート46 サイエンスキャッスル研究費ウシオ電機賞に採択される。
速報レポート47 大阪市立中学校総合文化祭 出場

■別年度のレポート
2015年度 大阪市住之江区新北島地区のアリのモニタリング調査とアルゼンチンアリ(特定外来生物)の駆除 実施レポート

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