NO団体名主な企画内容
23 伊那市立長谷中学校(長野県) 「中学生にできる地域興し~伝統野菜でふるさと長谷をHOTに~」
過疎化が進む長谷地区で、地域おこしのために「内藤唐辛子」を栽培し、地域住民と共に育て、地域食材として宣伝することで地域活性化を目指す。ふるさとを大切にする思いや、将来この地で生活し地域を守る思いを育む活動。

速報レポート29 「おてんと3の収穫祭」

活動日:10月22日(日)  参加者:長谷中学校3学年10名  指導者:学校職員2名 
保護者・地域の方16名
【学級通信より】

 「中学生にできる地域おこし~伝統野菜で長谷をHOTに~」をテーマに、昨年から内藤とうがらしの学習をし、今年度4月から本格的に自分たちの手で育ててきました。雨の日も風の日も、カンカン照りの太陽の下でも、大切に大切に育ててきた内藤とうがらし。これが起爆剤となって、私たちの住む長谷が元気になることを願って、様々な活動を行ってきました。
 そして昨日は収穫祭。収穫した内藤とうがらしの実を使って一味とうがらしとラー油を作りました。これは、長谷の地域の方々に配ったり、来週行われる「いなまち朝マルシェ」で長谷の地域食材として販売し、長谷の地や私たちの活動をPRしたりします。今回作るラー油の量は400本。前回、7月に作った時の4倍です。今までの私たちの学習の成果を見ていただくために、今回は保護者の方や地域の方にもご参加いただき、みんなでラー油を作りました。

 私たちが作る内藤とうがらしラー油(商品名:長谷の太陽)はオリーブオイルで作ります。オリーブオイルによって市販のラー油よりもマイルドになります。用意したオリーブオイルは31リットル。ラー油用の瓶は400本。目の前に並ぶと、業者の作業場のようでした。学校の畑で採れたネギとニンニクも用意し、レッツ!クッキング!


種を一つ一つ取ります

見本を示し、全員、分量を一定にし

とうがらしが舞う…目が…

乾燥させた内藤とうがらしの種を抜き、ミキサーにかけると、ラー油づくりが初めての参加者は目を覆い、マスク越しでも、むせかえっていました。ニンニクとネギを入れたオリーブオイルを熱していきます。今回はすべての行程で分量や加熱時間を一定にし、味を均一にしました。粉末の内藤とうがらしに、熱した油を一気に流し込むと、ジュワーっという音とともに、いい匂いが立ち上りました。今回は内藤とうがらしの赤色がうまく出て、真っ赤なラー油が完成しました。ラー油を作った搾りかすは食べるラー油にし、ご飯にまぶしておにぎりにしました。これも絶品でした。


ジュワーっという音

ニンニクとネギのいい香り

瓶はすべて煮沸消毒。すごい量…


食べるラー油もできました

まずは大きな容器に移します


 じょうごを使って一本ずつ、瓶に丁寧に注入していきます。400本詰めるのに1時間かかりました。完成したラー油を机上に並べると、達成感も一入でした。


すべて同じ量にしよう

生徒が大人にレクチャー

机に乗り切るかな?


あれ?今何本まで数えたっけ?

机が真っ赤

400本作りました!

 今回は収穫祭ということで、午後は校舎の軒下でバーベキューをしました。さすがは「おてんと3」の愛称を持つクラス。世間ではこんなにも台風の話題で持ちきりなのに、この時間だけ雨はほとんどやみました。自家製ラー油をいろいろなものにかけて食べました。お肉にも野菜にも、ピザにもデザートにもなんでも合う、万能ラー油。これ絶対に人気出るよ!買ってきたお肉の量がすごくて…みんな苦しくなっていたね。


バーベキューで収穫祭

このラー油、何にでも合う!

食べるラー油も地域食材にしたいね

 私たちの「長谷をHOTに」の活動はまだまだ続きます。いろいろな団体から「長谷の内藤とうがらし」のPRの依頼が来ています。伊那市長さんからも「ラー油が欲しい」と言われています。私たちの取り組みが実りを迎えようとしています。

 ゆくゆくは、この内藤とうがらしを長谷地区の皆さんが地域をあげて育てるところまで発展していってほしいです。4月、私たちは自分の足でパンジーの苗を配りながら長谷の800件の家を周り、長谷の地を歩き、自分の住む地域が、今どんな状態にあるのかを自分の目で見てきました。一人暮らしのおじいさん、おばあさんがたくさんいました。空き家になっている家もたくさんありました。私たちの住む長谷には耕作放棄地がたくさんあります。そこでこの内藤とうがらしをどんどん栽培してほしいです。
 お仕事を引退し、お家にいて時間に余裕がある方や、一人暮らしで寂しい思いをしているお年寄りの方々に、例えば地域に作業場のようなものを作り、そこに集まって、世間話でもしながら、とうがらしの乾燥作業や種抜きなどが行えれば、地域の人たちが元気になると思います。地域住民が元気になれば、長谷はもっと盛り上がります。作業場が学校の客室でできたなら、生徒も地域の人たちといっぱい触れ合う機会もできます。そういった「長谷の未来」を創る「種まき」を、私たち長谷中学校3年生がしてきました。この姿を、後輩たちや、地域の方々、行政の方々が見て、感じて、立ち上がってくれることを願っています。



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