「『♪夕やけ小やけ♪の里』から自然体験レッツ・ゴー！」　速報ニュース４

１　クワゴも飼育・・・カイコの原種発見！
　３年生の理科の学習で「チョウをそだてよう」という単元があります。ここでは、身近な昆虫を探したり育てたりして、成長の過程や体のつくりを調べます。そして、成長のきまりや体のつくりについて学びます。一般的に、モンシロチョウを教材として用いることが多いのですが、アゲハやアオスジアゲハも人工飼育が可能であり、教材性が高いと言えます。また、最近は理科学習の発展として、総合学習などで、カイコガの飼育もよく行われています。本校でも、３年生がクラス全体で取り組んでいます。
　子どもたちは、家に帰り、祖父母などから、養蚕の話を聞いたり、その当時のカイコにまつわる様々な情報を見聞きして、さらに学習への意欲が高まり、観察力の伸長も見られるようになりました。
　ある日、子どもたちが、学校にもっていくクワの葉を、家の近くでとっていると、何かカイコとはちがう幼虫を発見しました。色はちょっと茶色がかった肌色ですが、カイコと同じように、桑の葉をむしゃむしゃと食べていたそうです。子どもたちは、この段階では、クワゴとはわからなかったそうですが、担任の先生に報告したくて、学校にもってきました。
　すぐに職員室で調べたところ、これはカイコの原種である「クワゴ」であることがわかりました。冬になり、葉っぱが全て落ちてしまったクワの木に、１〜２枚の葉がついていることがよくあります。そのかれた葉を開くと、クワゴのまゆが発見できます。いつか幼虫のクワゴを見たいと前々から願っていたところでしたが、さすが、子どもたちです。観察力も優れ、昆虫と仲良しなので、すぐにクワゴが発見ができたのでしょう。
　クワゴを飼うことにより、子どもたちは、モンシロチョウの学習だけに留まることなく、次か次へと興味・関心の幅を広げ、自然界の生物の営みの不思議さ驚きを味わうことができました。また、命のもつ輝き、環境とその生き物の生活ぶりなどにも思いを馳せることができたようです。
　その後、大事件がありました。、な、な、なんと２匹いたクワゴの１匹が、箱から脱走してしまったのです。カイコは飼い慣らしてあり、逃げないのは、DNAの中に遺伝子として組み込まれているからでしょう。その事は、３年生には少し難しい内容ですが、「野生のカイコだから、逃げてしまう」という認識はできたはずです。子ども達は、どうしてカイコが逃げないのか、それまでどのようにして人間が飼育してきたのか等など、新たな疑問や課題をもったようです。もしかして、この発展的な内容の解明は、夏休みの自由研究の題材になるかもしれません。そんなことを思いながら、子どもたちとクワゴの成長を見守る毎日です。