NO団体名主な企画内容
38 ネイチャークラブ(兵庫県) 「命の環境を学ぶ自然体験」
小・中学生が中心となり、世代を超えた人々が動植物と触れ合い、学び合い、教え合う環境教育。形は変わりつつも命はつながり続けている「命の循環」を実感でき、地域貢献にもつながる活動。

活動報告10 「尼崎の海と運河の生物観察」

日時   5月15日(日)9:00~15:00
参加者  中学生12人  指導者3人
活動場所 尼崎港  尼崎北堀運河
活動内容

(1) 尼崎港の生物観察
(2) 尼崎北堀運河の生物観察と水質浄化活動

活動のねらい

●自分たちの住む地域の海に興味・関心を持たせる。
●海の生物と人間のつながりを実感させる。
●海の自然再生に取り組む心と態度を育む。

(1)尼崎港の生物観察
 3月20日の生物観察に引き続いて、尼崎港に沈めたボサカゴに住み着いている生物の観察を行いました。3月の観察ではメバルの稚魚が3cm~3,5cmでしたが今回の観察では、5.5cm~6㎝ほどに成長していました。約2か月で2倍ほどの大きさになることが解りました。この他アミメハギやイソガニ、ヒトデ、スジエビモドキなどの生物がボサカゴの中に住み着いていました。またゴカイの卵を発見することもできました。




ヒトデ


ゴカイの卵

メバル

アミメハギ

(2)尼崎北堀運河の生物観察と水質浄化活動
尼崎北堀運河は尼崎港のもっとも奥にあり、外海から閉ざされた環境にあります。そのため海水交換が非常に行われにくく、水質悪化が大きな問題となっていました。そこで徳島大学、兵庫県、尼崎市が連携し、世界初の試みとして生物の力を利用して水質浄化を行う施設をつくりました。ネイチャークラブはこの施設をつくる実験段階から徳島大学と連携して尼崎の中学生が主体となって「循環」をテーマとした実験や活動をしてきました。
今回は、運河に沈めたボサカゴに住み着く生物の観察と、水質浄化水路に繁殖する藻の回収、ヘドロを土にかえる実験、ヨシの移植を行いました。


メバルは体長8cmを超えていました

スジエビモドキが527匹も住み着いていました


昨年作った人口干潟の浅場にもチチブやボラの稚魚コウロエンカワヒバリガイ、イボニシガイなど多くの生物が生息していました。これらの生物も水質浄化に役立っています。



水質浄化水路の繁殖する藻類は、海水の汚れのもとになるチッソやリンを吸収してくれるとともに、光合成によって水中に酸素を供給し、水中の生物が生きていくために大きく役立っています。
この藻類が死んでヘドロになる前に取り上げて乾燥させて、運河周辺にはえている雑掌を刈り取って混ぜ合わせ堆肥にします。




運河の底のヘドロに改質剤をよく混ぜて数分すると真っ黒かったヘドロが灰色に変わって固まり出しました。




プランターに移し替えて培養土と混ぜ合わせ、水質浄化施設の人工干潟で繁殖させているヨシを移植することにしました。




ヨシを移植して水質浄化水路に設置することで水質浄化水路を流れる海水のチッソやリンを吸収し水を浄化してくれます。

活動の振り返り

 今回の活動で、尼崎の海と大地をつなぐ命の循環の意味を中学生に知ってもらうことが出来ました。
 今年1月に行ったアンケートでは、参加者の全員が「尼崎の海は汚い」と考えていました。
 しかし、尼崎港や運河の生物観察や運河での水質浄化活動を行う中で、たくさんの生物が生きることのできる環境を自分たちでつくり出す方法を知ることが出来ました。このことから尼崎の海や運河をもっと美しく、多くの生物が生きることが出来る環境にしていこうという気持ちで水質浄化活動に取り組むようになりました。
 夏休みには、尼崎港の防潮堤に繁殖しているムラサキイガイが死んで海底に沈んでヘドロになる前にはぎ取って取り上げて堆肥化することや、徳島県の自然豊かな海の干潟の観察会を通して、これからの課題を考えていこうと思います。



活動報告1 「大阪湾フォーラムの開催」
活動報告2 「尼崎港の生物調査」
活動報告3 21世紀の森づくり
活動報告4 21世紀の森の巣箱観察
活動報告5 菜の花の観察 花見会
活動報告6 「花と緑のフェスタ」
活動報告7 「菜の花の観察会」
活動報告8 「循環畑づくり」
活動報告9 「ことこと倶楽部」と連携した「命を育む土づくり」
活動報告10 「尼崎の海と運河の生物観察」
活動報告11 「菜種の収穫」
活動報告12 「地域間交流農業体験」
活動報告13 「菜種の収穫」
活動報告14 「いのちのじゅんかんべんきょうかい」
活動報告15 「地域間交流農業体験」茶摘み
活動報告16 「21世紀の森づくり」
活動報告17 「尼崎の海の栄養循環」
活動報告18 「干潟の生物観察」
活動報告19 「綿の栽培・活用と平和のお話」
活動報告20 「猪名川の生物観察」
活動報告21 「甲子園浜の生物観察・尼崎運河・人工干潟づくりとミニヨシズづくり」
活動報告22 「森の保育園」
活動報告23 国際交流活動「巣箱づくり」
活動報告24 国際交流活動「ネイチャースクールと意見交換会」
活動報告25 「ヒマワリ畑づくり」
活動報告26 「循環畑づくりと尼崎運河の生物観察」
速報レポート27 「キャナルフェスティバル」
速報レポート28 「稲刈りと芋掘り」

■別年度のレポート
2017年度 命の循環を学ぶ自然教育 実施レポート

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