速報レポート１７　【米粒編】虫送り儀式・かかし建立　～その１～

　とうとう虫送り儀式・かかし建立の日がやってきました。子どもたちのやる気と熱意が太陽にまで伝わったのか、太陽も朝からぎらぎらと燃えています。そのため、開始時間を３０分早めることにしました。
　８時１５分。虫送りチームはこれまで心をこめてつくった大うちわやおみこし、かかしチームは大きなかかしをみんなで抱え、いざ田んぼに向かいました。
　８時４０分。虫送りが始まりました。トップグループの６人は、１張の太鼓と松明代わりの棒を使うパフォーマンスです。太鼓ではその音で虫を驚かせ、松明は太田新保の七夕祭りになぞらえました。まずは太鼓の鈍い響きとユニークに踊る子どもたちのかけ声が、青空いっぱいにとどろきます。次に６人は、田んぼに向かい、優しくほうきで掃くように、松明をゆっくりと左右に揺り動かしました。松明から出る煙で虫を追い出す、昔ならではの虫送りの技法を取り入れたのです。静と動のバランスがうまく取れていた演技でした。
　次のグループでは、黒い服と虫の触覚を身につけた、いかにも悪そうな害虫役が目を引きました。「おそれるがよい～」などと叫びながら、お米をむしゃむしゃ食べています。そこにおみこしが登場。おみこしには当然、神様がいらっしゃるので、白い服に身を包んだ神様が、害虫を刀でばっさばっさと切っていきました。
　３組目も、儀式色の強い発表でした。３張の太鼓のリズムに歩調を合わせてみこしが登場し、神主役の２人が高らかに「はらえたまえ～」と、虫が安らかに眠ることができるように、お祓いをしました。虫送りと同様に、虫の魂を思いやる虫供養も伝統的に行ってきた日本人の高い精神性を、しっかりと引き継いでくれた儀式でした。
　そして最後。まずは大きな白い和紙で折ったカマキリやクモ、カエル、つまり田んぼの益虫をひもで手に結びつけ、４人がそれらの生き物を、田んぼに何度も放り投げては戻し、戻しては放り投げています。それだけでは足りないのか、今度はカマキリとカエルが描かれた大きなうちわで、田んぼをあおぎ始めました。益虫から逃れた害虫を、風で吹き飛ばす作戦です。「よいしょ～」とうちわをあおぐと、他の５年生全員が「よいしょ～」と続きます。豪快なうちわさばきと、５年生の心が一体になった演技に、会場から大きな拍手が沸き起こりました。

• かかしを自分でつくって立てるということは、これからもうないと思うので、できて良かったです。
• 達成感があったので、一生けんめいじゅんびをして良かったなと思います。
• わたしは害虫役でした。切られて倒れたとき、地面のじゃりがいたかったけど、がまんしました。
• 神主さんが、最後に「はっ！！」と言った声の迫力がすごくて、虫が吹き飛んだと思いました。
• いつもの１０倍ぐらい声を出しました。終わるとせい大なはくしゅが聞こえてきて、「大成功したんだ」と思って、うれしかったです。
• 虫送りが成功したので、ワン田フルにう米(マイ)お米がとれると思います。
• めんどくさいこともたくさんあったけど、楽しいこともあったので、この虫送りができてよかったです。

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