NO | 団体名 | 主な企画内容
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18 |
越前市立大虫小学校(福井県) |
「滴り落ちる玉の汗を玉鋼に 弾け飛ぶ汗の粒を米の粒に さあ、行こうか、大虫!!」 年生が鉄作り、5年生が米作りを体験する。単に教えられたことを行うだけでなく、自分たちで課題を見つけ、解決策を思索し、新しいことに挑戦していく過程を通して、ふるさとや日本の伝統文化の存在に気づき、SDGsの大切さを実感する。 |
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速報レポート19 【鉄粒編】わくわく会議~これからどうする?~
活動日: 2023年7月12日(水)
活動場所: 大虫小学校多目的室
参加人数: 小中学生 55人 / 大人 0人 / 指導者 2人 / 合計 57人
活動内容
7月4日に子どもたちは、約40キログラムものノロ(鉄を作るときに出るカス)を集めることができました。もしもこのノロが継体天皇の時代のものであれば、継体天皇が越前市で暮らしていたということの有力な証拠になります。
「日本書紀」には、継体天皇が福井から出て天皇になられたと書かれていますが、実は「古事記」では、継体天皇に関して、越前市どころか、福井に関する記述すら一切ありません。ということは、日本書紀よりも古事記の方が正しいという見地に立てば、継体天皇が福井から出た天皇だということ自体、史実ではなくなってしまうのです。このような歴史的背景を事前の学習でよく知っていた子どもたちは、自分たちが見つけた”大虫産”のノロが、いつの時代のものなのか、気になって仕方ありません。
しかし残念ながら今回は、それが継体天皇の時代のものではないことが分かりました。子どもたちが発見したノロは、今から数十年前に廃棄されたものでした。自動車があまり走っていない当時、舗装されていない土の道の時代では、荷車のわだちや土が削れてしまった部分などに、雨が降ったら水がたまったそうです。それを補修するため、そのノロをへこんだ部分にかぶせたり埋めたりして、土の道を平行でまっすぐにしました。子どもたちが学校の裏で見つけたノロが土の小道に埋まっていたのは、そういうわけです。
そのときは重宝されていたノロでしたが、自動車の量が増え、道路がアスファルトに舗装されたとたん、無用の長物になってしまいます。そのまま何十年もの間、積まれたままの状態で放置されました。自然に砂が覆い、草が生え、生き物が住み…。どんどん自然と一体化していったのです。そして現在、一見してもふつうの広場にしか見えない状態になっていたところを今回、子どもたちが発見したのでした。
そのことを伝えると、子どもたちはシュンとなりました。しばらくして一人が、「集めたノロはどうするんですか?」と質問したので、「どうしたらいいと思う?」と聞き返すと、誰一人反応がありません。それで、「そのノロをもう一度、鉄にしてみるか!」と投げかけると、「そんなこと、できるんですか?」「継体天皇みたいや!」と、子どもたちは顔を上げ、元気を取り戻しました。そこで、木炭と砂鉄を燃やして鉄を作る、たたら製鉄のことを教えました。
一通り教えたら、後は子どもたちに任せます。みんな意欲的に発言し、お互い言いたいことを言い合い、その結果、以下のことが決まりました。
◎たたら製鉄のやり方をまねして、自分たちで鉄を作る「鉄祭り」を行う。
◎たたら製鉄で必要な砂鉄は、自分たちが集めたノロを、小さく砕いたもので代用する。
◎たたら製鉄で必要な木炭は、竹炭を使う。その竹炭は、大虫滝遊園地の廃竹を竹にする。
その中でも、炭についての知識は、児童にとって皆無に近かったので、かなり説明した上で話し合いました。なにしろ、「炭ってなんや?」「黒い石!」「バーベキューで見たことある。」「石って燃えるんだね!」「どうやって用意できるんやろ?」「店で買うしかないやろ。」「売ってるんかな。」「きっと高いぞ。燃える石やで。」…という調子です。そのため、炭についての基本的なことを教え、たたら製鉄では炉内を高い温度にできる松炭を使うこと、大量の木を伐採する必要があるので、かつて鉄を作る地域の周囲の山では、木がなくなってしまうことなどを付け加えました。
子どもたちは、自分たちで炭を作ろうと盛り上がったのですが、どこの山の木を、どうやって切るのかに話が及ぶと、しんとなりました。林業については5年生の社会科で習っているので、木の伐採がそう簡単にはできないということは、さすがに学習しているのです。そこで今度は「越前市が合併する前の名前、知ってるか?」と聞くと一同、「武生(たけふ)!」と答えます。それでその「たけふ」の地名には、竹がたくさん生えていたから付けられたという説があるということを伝えると、私の意図にピンときた子が、「竹ならうちにある!」と言い、竹で炭を作ろうという話になりました。「確かに竹炭はあるけど、すぐに燃えつきてしまうので、燃料としては不向きだ」と言うと、「それなら、どんどんたくさん入れればいい」の意見が全員の賛同を得て、炭は竹を使うことになりました。
次回、竹を取りに行きます!
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