速報レポート２５　【鉄粒編】鉄祭りに向けて②　～”前月祭”を成功させよう～

　なんと、越前たたら研究会「鍛人（かぬち）」の方が、６年生の活動に興味を持ってくださり、鉄づくりを支援していただけることになりました。「鍛人」はたたら製鉄を研究していて、越前朝倉家の家臣としてその豪傑ぶりが全国に知れ渡っている真柄十郎左衛門の大太刀(愛知県の熱田神宮宝物館に奉納)の再現に挑むことを目的とする、越前打刃物の職人さんを中心とした、熱いグループです。昨年はその積極的な取り組みが、報道機関を通して広く県民に伝えられました。子どもたちはもちろん、我々教員も鉄づくりに関しては全くの素人ですから、なんともありがたいことです。特に安全面においては、こちら側がいちばん心配していたこと。それを鍛冶の専門家が見守ってくださるのですから、これほど安心なことはありません。
　１０月予定の鉄祭りに向けて、まずは９月１３日、たたら製鉄の模範実技を実際に学校で見せてくださることになりました。子どもたちはその様子を観察したりメモをとったりして、本番では自分たちだけでできるように学習します。
　そこで子どもたちは、２学期最初の9月１日、会場となるグラウンド東側の草むしりをしました。

　そして９月５．６日には、たたら製鉄で使用する砂鉄の代わりとして、子どもたちが発見したノロ(鉄を作るときに出るカス)の塊を、粉のように細かく削りました。子どもたちは、ハンマー、たがね、ヤスリなど、普段は目にしたこともない道具をなかなか器用に扱い、作業に没頭しています。みるみるうちに、ノロはどんどん小さくなっていきました。

　９月１１日。まずは削ったノロを磁力選別しました。つまり、磁石に付くものだけを選り分けるのです。そうすることでノロは、より磁力が濃くなります。アルミの容器の中に磁石を出し入れすることで選別していきますが、アルミにノロが面白いように付くので、子どもたちは夢中になって選別していました。

　製鉄のとき、選別されたノロを炉の中に粉の状態のまま投入すれば、ノロは軽すぎて送風機の風でどこかへ行ってしまいます。それを防ぐため、今度はノロと糊とを混ぜ合わせ、平らに広げました。それを乾かして、せんべいのようにします。そうすることで粉は塊になり、飛散することがなくなるのです。しかしこの作業が実に難しく、やってもやっても粉が固まらずにボロボロと手からこぼれ落ちていく子が続出！　糊を加えたり、突如現れたプロに手伝ってもらったりして、なんとか全員のせんべいが完成しました！

　９月１３日は本番前のイベントですから、いわば前夜祭ならぬ”前月祭”。これにふさわしく、なんと福井伝統工芸アイドルグループ「さくらいと」さんが、子どもたちと活動してくださることになりました！　さくらいとさんは、福井県の伝統工芸を応援し、福井の様々な魅力と価値をエンターテイメントで発信するアイドルグループで、県内外で大活躍しています。
そこで子どもたちは、歓迎の気持ちを表すために、さくらいとさんのヒット曲「LOVE水ようかん」を、振り付きでご披露することにしました。急きょ、練習開始です。

　前月祭はお祭りですから、とにかく思いっきり明るく楽しく学習したいと思います！　１３日がどうか晴れますように。

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