NO団体名主な企画内容
18 越前市立大虫小学校(福井県) 「滴り落ちる玉の汗を玉鋼に 弾け飛ぶ汗の粒を米の粒に さあ、行こうか、大虫!!」
年生が鉄作り、5年生が米作りを体験する。単に教えられたことを行うだけでなく、自分たちで課題を見つけ、解決策を思索し、新しいことに挑戦していく過程を通して、ふるさとや日本の伝統文化の存在に気づき、SDGsの大切さを実感する。

速報レポート29 【米粒編】 手で脱穀をしたよ!

活動日: 2023年9月15日(金)・22日(金)
活動場所: 大虫小学校グラウンド
参加人数: 小中学生 41人 / 大人 0人 / 指導者 2人 / 合計 43人
活動内容

活動タイトルの5年生の部分「弾け飛ぶ汗の粒を米の粒に」は、無事に達成することができました。しかし5年生、まだまだ休んでなんかいられません。これからもどんどん汗をかいて働きます!
ということで、今は機械であっという間にできてしまう脱穀を、自分たちでやってみることにしました。稲刈りのとき、はさばにかけた稲を使います。さあ子どもたちは、どうやって稲からもみを外すでしょう。

○9月15日
もみのついた稲を目の前に、どの子もまずは左手で1本の稲の上部を握り、右手は指でもみをはさんで枝梗に沿ってスルッと一気に引いていました。一度でたくさんのもみが気持ちよく取れるので、「おもしろい、おもしろい」と、その動作を何度か繰り返していた子どもたち。しかしすぐに何人かは机の中から定規を取り出し、定規と机の間に穂をはさむようにして、稲を引くようになりました。どうやら指が痛いので、指の代わりに定規を利用しているのです。この方法だと、指は痛くないし、しかもより多くのもみが取り外せます。いつの間にか、全員が定規や下敷きを使うようになっていました。
すると今度は一人が筆箱を取り出し、筆箱のふたと本体の間に穂をはさんで稲を引き始めました。別の子は、バインダーの間に穂を入れ、穂の根元を指で押さえて稲を引いています。なるほど、そうすることで、除去されたもみが飛び散ることなく、筆箱なら本体の中に、バインダーならバインダーの間にもみが収まるのです。それならいちいち、もみを集める必要もありません。何も指示されることなく、自ら開発した方法で、子どもたちは夢中になってもみを外していました。1時間で終える予定でしたが、あまりに嬉々と活動しているので、結局2時間もの間、飽きることなく子どもたちは脱穀に勤しんでいました。







○9月22日
「江戸時代になると、こんな道具が発明されました」と、千歯こきを紹介しました。「どうやって使うと思う?」と聞くと、「歯のような鉄と鉄の間に稲をはさんで引きます!」と、すぐに正解が出ました。前回、自分の手で脱穀をして、脱穀の仕組みを体で理解していたからこそでしょう。
「明治に入ると、こんな道具も開発されました」と、今度は足踏み脱穀機を見せました。「これはどうやって使うと思う?」と聞くと、「…」。ヒントを出してほしいと言うので、足で踏む部分を踏んで、回転する胴を回して見せました。「おおっ、回るんや!」と反応するものの、使い方はやはり「…」。もうギブアップと降参するので、実際に脱穀をやって示すと、飛び散るもみに、「すごっ」「なるほど~」と、みんな大興奮です。
そして使い方の注意を十分指導した後、全員が2つの道具を体験しました。当初、足で踏む動作はタイミングが難しいので教師がする予定でしたが、一人にやらせてみると、なかなか上手にできるではありませんか。結局ほぼ全員が、自分で足踏みをして回転させながら、脱穀することができました。
今回使用した足踏み脱穀機は田んぼでお世話になった奥山さんが寄贈してくださったもので、裏には大正10年に購入したとの旨の表記がありました。今から102年前です。約1世紀も前に大虫で使われていた脱穀機を今、戦争を知らない令和の大虫小の児童が嬉々として使っている姿を見て、なんとも深い感慨を覚えました。









子どもたちの感想