NO団体名主な企画内容
32 大阪市立新北島中学校 科学技術部(大阪府) 「大和川を源流から河口まで調べて川って何かを考える!」
"中学生が身近な河川を源流から河口まで、お互い協力して主体的に調べることによって、自然と人間の営みの関係について考える。現在取り組んでいる河原のゴミ問題について自分たちの解決方法を考えてみる。"

速報レポート28 第70回大阪市中学校生徒理科研究発表会の準備と練習と本番と反省

活動日
 9月18日(月)
  参加人数 中学生 17名 指導者2名 保護者3~5名
  場所 大阪市立咲くやこの花中学校
 9月18日(火)反省会
  参加人数 中学生13名 指導者1名
  場所 技術室
(発表物(プレゼンテーション用資料と展示用レポート)の作成は9月1日、3日、6日、7日、8日、10日、12日、14日に実施しました。プレゼン発表練習は15日に実施しました。)
活動の目的

  • 決められた期限に自分たちの研究についてデータを整理して、科学的にわかったことをまとめる。
  • 自分たちの研究についてより深く理解して、他の人が分かりやすい資料を作成する。
  • プレゼンテーションの練習をして、人に説明する難しさを知るとともに、説明する技能を高める。
  • 大和川のゴミ問題について、中学生や保護者、学校の先生に知ってもらう。
  • 自分たちの発表について良い点と悪い点を点検して、後日の発表の参考にする。
  • 他の学校の研究について学んだり質問をして、より科学的な思考する能力を高める。
  • 発表の大変さと達成感を知る。また、チームワークの大切さも知る。

内容

 年に1回の公式な理科の研究発表会である(大阪府学生科学賞の大阪市の予選会と大阪市立中学校総合文化祭の選考会を兼ねている)第70回大阪市中学校生徒理科研究発表会に参加しました。プレゼンテーションの部と展示の部、発明工作の部のすべてにエントリーを行いました。
 プレゼンテーションの部は、スクリーンを使って会場で5分程度説明するもので、その後質疑応答が5分ほど行われます。今回は3題の研究を発表しました。1つめは『重力加速の測定パート3』で、これはケーター可逆振り子という特殊な振り子を自作して、重力を精密測定する試みです。2つ目は、『河川での科学的酸素要求量の測定についてパート2』で、水質検査などに用いられる簡易水質検査キットを肉眼での比色に頼らないで分光度計で測定できないか調べるものです。3つ目が『大和川の調査パート8』で今回の自然体験活動と関係のある研究です。
 展示作品の部では、大和川の発表と関連がある『大和川河口でのイオンの変化について』『大和川源流・中流・河口での水質調査』『安全に流心で採水するための装置の開発』『生分解性ストローの河川での影響について』『大和川河口でのゴミの種類と量について』の6点の展示発表と、『重力加速喉の測定パート3』『河川での科学的酸素要求量の測定についてパート2』、その他部員の自由研究6点を発表しました。
 発明工作の部では、実際に使用した採水装置の1号機を展示しました。
 まず、研究については重力測定のグループと科学的酸素要求量(COD)の班に分け、資料の作成を行いました。大和川の研究については、『源流調査』『河川のゴミ調査』『採水装置の開発』『生分解性プラスチック』『河口のイオン』それぞれに担当者を割り当て、展示やプレゼンテーションの資料を作成しました。
 プレゼンテーションの練習は土曜日に行い、スクリーンを投影できる教室に指導者でパソコンを準備しました。あとは練習準備ができたところから実際と同じように礼をするところから練習を行いました。リーダーにはストップウオッチを持たせて、発表時間を計測させました。実際に発表してみて、指導者から声が小さい事とか、口が小さく開いてるために聞きとりにくいことを個別に注意などしました。発表時間が5分をオーバーしていたので、部員は自分たちで5分に収まるように原稿を修正していました。
 3つのそれぞれの発表は3回練習をしましたが、最後の練習はあえて指導者はチェックせずに部員たちに任せました。次の日が民間の高校入試の模擬試験のある日だったので、練習は午前中で終わるようにしました。また次の日は家で練習するように指導しました。部員が帰った後に、指導者が当日に持参する物(展示発表用のレポート作品、プレゼンテーション用資料の入ったUSBメモリー、レーザーポインター、撮影用カメラ三脚など)を準備しました。
 当日は朝8時30分の集合と連絡していましたが、以前配布したプリントに8時集合とあったためほとんどの部員が8時に集合していました。部員全員やる気満々でした。分担して荷物を持って咲くやこの花中学校に地下鉄とJRを乗り継いで向かいました。会場には10時に到着したため、あわてて展示作品を陳列して、プレゼンテーション用のデータを発表用のパソコンに移したりしました。リーダーの部員には最後のアドバイスを終えると開会式が始まりました。
 新北島中学校の発表は最初の発表だったため、開会式が終わるとすぐに発表になります。発表準備も含めて部員が行い、指導者はタッチしないようにしています。質疑応答も含めて部員たちで行うようにしています。
 発表は特にトラブルもなく終えることができました。トムソーヤースクール企画の支援で、滝畑でキャンプしたことなども伝えることもできました。中学生と審査員の先生から質疑も受けていましたが、ほぼしっかりと返答することができていました。一部基本的なことを忘れて返答できなかったこともありましたが、指導者としては十分発表できていたと思っています。発表時間もほぼ5分間で行うことができました。(審査員が講評でその点も評価されていました。)
 午前中での発表だったので、昼休みを使って展示作品で解説しますと声をかけていたので、採水装置について何人かから質問を受けたそうです。このような交流をすることができれば部員にとっても有意義と感じました。また、咲くやこの花中学校にいるクロベンケイガニを見つけたり、展示物を見学したりしていました。他校の発表の後質疑応答で聞けなかったことを聞きに行っている部員もいたので良かったです。
 すべての発表が終わったのち結果発表があり、プレゼンテーションの部で『大和川の調査パート8』が優良賞に選ばれ、大阪府学生科学賞の出展と大阪市立総合文化祭の出場が決まりました。展示作品の部では、『大和川河口でのイオンの変化について』『河川での科学的酸素要求量の測定についてパート2』『重力加速度の測定パート3』が優良賞に選ばれましたが、『大和川河口でのイオンの変化について』はプレゼンテーションの受賞と重なるということで後程佳作に変更されました。頑張った研究が受賞できたので部員たちはよろこんでいました。
 閉会式後に会場の片付けを手伝って府学生科学賞と総合文化祭の手続きについて確認したあと、記念写真をとって帰路につきました。
 翌日は部員で反省(良い点と悪い点)を部長の司会で行いました。指導者は口を挟まず、部員たちで色々話合わせました。それが終わってから指導者からの意見を述べました。①自分でやりたい研究を企画できるようになること。②11月に行われる創造アイデアロボットコンテストに向けて頑張ることを伝えました。


分担してパソコンで作業

原稿の調整など

発表の練習


発表で礼をしている所

発表している様子

他校の展示作品


表彰式で表彰されている

校門での記念撮影

指導上の留意点

  • パソコン操作やソフトウェアの使い方について先輩から後輩に教えるように指導しました。
  • データの作成も部員が行いましたが、指導者で念のためにチェックを行いました。
  • プレゼンテーション資料もそれぞれの担当に分けて作成しました。指導者でチェックを行いました。
  • 声の大きさや礼の仕方など、指導者から指導しました。また5分の発表時間を守るように指導しました。
  • 他校の質問で、研究の揚げ足取り的な質問が毎回行われるので、発表者に尊敬の念をもって、分からなくて自分が知りたいことを質問するように毎回指導しています。
  • 発表は1年から3年までの参加者全員で発表を分担して行い、全員で達成感を感じられるようにしています。
  • 発表の分担などは毎年3年生が部員と相談して決めています。(指導者は口出しいません。)
  • 部員たちで自己完結的に発表ができるように指導しています。

指導者として失敗したところ(ヒヤリハット含む)

  • 研究のスケジュールが遅れ気味になって、発表練習が少なくなってしまった。ただ、発表のスキルよりも研究のスキルを高めることを主眼に置いているので、日程に余裕があれば練習機会を増やします。
  • 保護者向けの案内のプリントと予定表で集合時刻が違っていたので、混乱が起こったしまった。
  • 部員に自分たちの作品の撮影を任せていたら、撮影していなかった。
  • 指導者がカメラを紛失したと勘違いして探し回ることになった。(鞄の別のポケットに入れていた。)

部員の感想

  • 部員は真剣に発表できていました。質問をしている生徒もいました。面白い研究がたくさんありました。発表会までの研究のスケジュールが多くとても大変でしたが、完成できて良かったです。質問をいくつか答えることができず残念でした。来年はもう出られないので、後輩に研究を引き継いでいきたいと思いました。(3年部長M.M)
  • 真剣な様子で聞いていた人もいる、うとうとしていた人もいた。他校の質問の量がとても多かった。人の話をよく聞いてなおかつその内容を理解しないとできないことなので、とてもすごいと感じた。発表している内容もどれも目を引くものばかりで、いい機会だった。部員も質問していたがその質問の意味が良くわからなかったので、しっかり頭の中を整理してから発言してほしいです。(3年副部長N.K)
  • みんな真剣に発表を行っていました。他の人の発表の時きちんと聞いていました。(3年T.T)
  • 面白そうな研究がたくさんあった。似たような研究が多かった。いろんな学校が、夏休みを利用して頑張っていることが分かった。(3年Y.N)
  • 出番が来た時にとても緊張してしまった。思い通りに声が出ませんでした。言い終わったあとも全員で前に出て、先輩が審問にこたえている時も目のやり場が分からず少しキョロキョロしてしまって緊張してしまった部分もあったけど、発表が上手くいって良かったです。他校の研究もすごく面白くて興味深かったです。(1年K.F)



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